生理不順、不妊症について

一般の不妊症の本に書いてある事より、外来でよく受ける質問を中心に述べます。

生理が不順で将来妊娠できるか心配ですが?
生理が不順で生理になると出血が長く続いて止まらないのですが?

 生理(月経)の起こる仕組みを少し説明します。面倒な方は、この説明を飛ばしても構いませんが(飛ばしたい方»»結論へ)、できるだけ解かり易く述べます。
 女性は13歳頃になると、脳から刺激ホルモンが出て、下垂体から卵巣を刺激するホルモンが出ます。刺激された卵巣は、2種類のホルモンを順に出しながら排卵(卵巣から卵を出す事)します。妊娠しなかった場合、子宮内膜は月経となって出血し、排泄されます。この一連の仕組みの中に何か異常が起きると、生理不順となるわけです。この中で一番多いのは、脳からの刺激ホルモンのサイクルが変わる事です。たとえば、春ですねーと感じると、ウキウキして、刺激ホルモンが出始めます。仕事で疲れる、職場で人間関係に悩まされている、極端なダイエットをしている、こんな時に妊娠しては危ないと、脳が思うと刺激ホルモンを出さなくなります。何か動物のサカリに似てますね。しかしこのサイクルには個人差があって排卵さえしていれば、さほど心配する物ばっかりでは有りません。逆に無排卵であっても、卵巣からホルモンが出ていれば時々出血することがあります。これを月経と思っていると方もあります。更年期になると、こんどは卵巣の働きが悪くなって、生理不順となるわけです。
 結論は、排卵しているか、していないかはとても重要で、これは基礎体温をつけることが最もいい方法です。産婦人科を受診する時に、基礎体温を持参してくだされば診断にとても役立ちますし、直ぐに治療が始められます。生理不順で受診した場合必ずと言って良いほど、基礎体温をつけるよう指導されます。そして1〜2ヶ月様子を見てから、治療を始める事も有ります。
 出血するのは、生理不順ばかりでは有りません。妊娠していて流産であったり、その前兆である切迫流産であったりする事も有ります。また子宮ガンの出血もあるわけで、何時までも様子を見ている事は、危険です。出血のある場合はなるべく早く出血していても構いませんから、受診しましょう。

結婚して随分経つのですが、不妊症でしょうか?
 
結婚していてもしていなくても、避妊をしないで2年以上妊娠しなければ不妊症と定義されています。不妊症と言う言葉は出来ないと言う意味ではなく、検査なり治療が必要かもしれないと言う事です。一般には一年以内に、80%の方が自然に妊娠します。そして次の一年、つまり2年以内に90%の方が自然に妊娠します。検査や治療は早い方がいいのです、高齢になると治療しても妊娠率が下がってきます。

不妊症の原因は?
 男性側の原因による男性不妊と、女性側の原因による女性不妊に分けます。実は男性側の原因による不妊が結構多いのです。この結果女性も妊娠しない為、子宮内膜症になったりして、結果として、男性、女性両方共に不妊症と言った例もかなりあります。不妊症の検査、治療は男性の検査も大切です。しかしここで問題があります。女性が原因であった場合はいいのですが、もし男性が原因であった場合そのショックは女性には想像できないほど重大で、その後の性交渉にも影響する事があります。精子に問題があっても、男性らしさとか、性的な意欲、性交能力とは関係ないことを、良く理解してあげましょう。又不妊治療中、性交日を指定されたりする事もよくありますが、男性にはとても辛い事も有るのです。思う様にならない事があると、その後も失敗を恐れ益々上手くいかなくなったりします。良く話し合う事が大事なのです。
 女性側の原因は、生理不順の所で述べた排卵の問題、精子と卵を通過させ受精が起こる卵管の通過の問題、受精卵が着床し育ってくる子宮の問題、その他のホルモンや、免疫的な問題、他の病気との関連などがあります。それぞれについて更に細かく検査をし、治療していきます。排卵の問題は、排卵誘発剤のお陰でかなりの率で排卵させる事が出来ます。一番多く、難しいのが卵管因子です。子宮内膜症とか、卵管炎によって卵管が詰まったり、動きが悪くなったりすると妊娠しなくなるのです。卵管が詰まっているのは検査で解かるのですが、通っているのに動きが悪く卵を運べないことはなかなか判定できないのです。そのため卵管を使用しないで妊娠する、体外受精が行われるようになってきたのです。
 当院では、体外受精は行っておりませんが、必要な方はそれぞれの施設へ紹介し、体外受精のための注射などをしています。患者さんの希望によりますが、最後まで責任を持って面倒を見させていただくことを、心掛けております。
 


携帯へ戻る

前頁

トップ